芥川賞受賞作である本書は、現代小説のあり方を根底から覆したとの評価もある
作品です。
一貫して一人称の「わたし」が語り手となって、この物語は続いていきます。
「むらさきのスカートの女」に「わたし」は異常な執着を持つようになり、
その「女」を詳細に語る事で「わたし」というものが段々と露わになっていく過程
には、身震いすら覚えます。
読み進めている内に途切れる事のない摩訶不思議な世界観に支配されている事に気づく
事でしょう。
この物語の全貌が現れる最後をお楽しみに。
著者:今村 夏子
出版社:朝日新聞出版