著名人の活動休止の原因になるなど、最近よく耳にする「適応障害」。
名前だけ聞いたことはあっても、具体的にどういう状態を指すのか説明できない方も多いのではないでしょうか。
本人も周囲も気づきにくいと言われる適応障害ですが、
特定のストレスを原因とするため、「ホワイト企業」に勤めていても、人間関係が良好であっても、なにかひとつ「たったそれだけ」のストレスが原因で発症することもあります。
また、日本人がなりやすいとも、コロナ禍でも増えつつあると言われ、今や、適応障害は決して他人事ではありません。誰もがかかる可能性がある、身近な「心の病」です。
本作は、大学病院の院長を兼任し専門外来も担当する、その道の第一人者とも言える著者が、正しい知識と正しい理解を促すためまとめた一冊です。
「うつ」とどう違うのか、どうすれば早く回復するのか、適応障害になりやすい性格はどういうものかなど、自らの発症の有無にかかわらず、ストレス社会に生きる、また、ストレス社会を「構成している」一員として、読んでおくべき一冊だと言えるでしょう。
著者:岩波明
出版社:小学館