「今ちょっとお時間よろしいですか?」
街中で、警察官に呼び止められた経験はありますか?
動向を訊ねられたり、持ち物を検査されたり。
この、いわゆる「職務質問」ですが、声をかけられる人は何度も声をかけられるし、かけられない人は、人生で一度もかけられない、と言われています。
著者は、警察官時代、その「ワザ」を体験するため、「職務質問をされてみよう」と不審な恰好で街中を徘徊したものの、一向に「構って」もらえなかった、と述べています。
その一方、たった一時間の職務質問で、街中に潜む覚醒剤保持者を見つけ出す「達人」もいる。ただ不審な動きをしていれば職務質問をされるわけでもないが、見る人が見れば絶対に「怪しい」人間も確実にいるのです。
では、警察官は、一体どんな目星を付けて相手を選んでいるのか。
職務質問で訊かれることは? 「任意」なら拒否は可能? 正しい対処法は? 根拠となる法令は? 「達人」ってどんな人?
一般市民では想像もできないような「職務質問」の世界について、
警察庁等で勤務し、警察大学校主任教授も務めていた異色の経歴を持つ小説家の古野まほろ氏が、職務質問にまつわるありとあらゆる項目を、小説家らしい、「読ませる筆致」で綴っています。
声をかけられた経験のある人も、かけられたことがない人も、本書を読み、謎多き「職質」の裏側をのぞいてみてはいかがでしょうか。
著者:古野まほろ
出版社:新潮社