「動物園や水族館、最後に行ったのは一体いつだったかなぁ...。」
と、本書を手に取った時点で、はたっと頭を捻ってしまいました。
大人になって以降は、動物や海の生き物たちをまじまじと見に行くというよりは、
お花見やアミューズメントパークとして楽しむといった、趣旨の行楽地の一つに
なっていたように思います。
そのような感じでしたので、今回は動物たちとがっぷり四つで向き合あせてもら
おうと、久し振りの動物園や水族館に訪れる童心に帰ったようなわくわくとした
気持ちでページをめくっていきました。
本書では、私が子どもだった頃には見たことも聞いたこともなかった珍しい動物
たちや、昨今の大人気者の動物たち、お馴染みだけど、そこまで生態や習性の事
を知らなかった動物たち等、どの動物たちもリラックスした愛くるしい姿を見せ
てくれています。
その中で一番魅力を感じたところは、ただ単に動物たちの可愛い表情ばかりを載
せた写真集という形をとっているのではなく、その施設にいる個体に着目し、名
前や誕生日はいうに及ばす、その子たちの性格までもが紹介されており、
「ああ、この子はこういう性格だからこんな格好をしているのか」と、実際にそ
の施設に訪れて、その動物たちが目の前にいるような気分になれるところだと思
います。
(動画のQRコードも付いてますので、動く姿も見られ、至れり尽くせりでした。)
当然ながら微笑ましい動物たちが主役ですが、飼育員さんのお仕事に一日密着し
たレポにも興味を引かれました。
一日の殆どが餌やりと掃除に費やされているおり、本来ならば自然の中で生息し
ている野生動物たちを管理し飼育しているのですから、神経も体力も使う、気の
休まる事のない重労働なお仕事だと思います。
それを凌駕してあまりある飼育員さんたちの愛情と、動物たちが信頼を寄せてい
る様子が写真からも溢れ出ています。
読み終わって、すごく動物園や水族館に足を運びたくなりました。
嬉しいことに、関西にはとても多くの施設があります。
まずは神戸どうぶつ王国のマヌルネコのレフとアズ、スナネコのキサクとマフに
ご挨拶してこようかな。
コロナ禍で出かけられる機会も減ってきた今、本書で動物たちに癒されてください。
そして暖かくなったら、この子たちに是非会いに行ってください。
編 纂:京阪神エルマガジン社
出版社:京阪神エルマガジン社