火山の噴火で一夜にして灰に埋もれてしまった古代都市ポンペイ。
あまりにも有名なその廃墟になった建造物からは、
そこで日常の生活が営われていたとは想像し難い。
今年、全国で好評を博しているポンペイ展では、
残されたモザイク画や彫刻、書簡、その日に焼かれたパンまでが展示されており、
確かにそこに生活があったという生命の鼓動が感じられました。
本書では、その中でもポンペイの街角の壁面に書かれた多種多様な「落書き」に焦点を
当てていて、一庶民のもっとプライベートな姿が余すことなく再現されている。
古代ローマ人の呟きに耳を傾け、2000年前の暮らしに思いを馳せてみて下さい。
マンガ家のヤマザキマリさんと著者による巻末の対談も読みごたえたっぷりです。
著者:本村 凌二
出版社:祥伝社