前衛美術家であり芥川賞作家でもある、
不世出の奇才、赤瀬川原平さんが晩年に遺された傑作絵本。
人は誰しも一度ならず、「自分とは何か」とか「他者との違い」などを考えたりした事
があるかと思いますが、
筆者は幼い頃からそういう事を常に感じ、考えてきた人のようです。
自意識過剰が故に視線恐怖症だった少年が大人になり、
晩年になって自分を高みから達観視するようになる過程が
独特の文体とイラストと共に描かれ、読み手の思考に訴えかけてきます。
「こどもの哲学 大人の絵本」をお楽しみ下さい。
著者:赤瀬川原平
出版社:筑摩書房