こちらは、ファン文庫Tearsによる「泣ける話」シリーズの一冊で、
ライト文芸の作家陣が執筆した12編のアンソロジーで構成されており、
非常に読みやすく、話の展開も短くまとめられているため、空いた時間に手軽に読むことができます。
また、横浜・神戸が話の舞台となっているため、三宮の花時計前や、北野の異人館、灘の酒造、はては「トライやる・ウィーク」の話まで、神戸をよく知る人間にとって、非常に馴染みのある地名やモチーフが多々扱われているため、
小説として読む楽しみに加え、身近なところが舞台になっているよろこびも味わえるのではないでしょうか。
もちろん、もう一方の舞台・横浜パートについても、神戸と近似の情景を想像しながら読むことができ、「泣ける話」というテーマはありつつも、恋の話あり、友情の話あり、家族の話ありと、その世界観は多岐にわたっています。
巻末には作者のプロフィールと代表作が載っているため、「推し」の書き手に出会った方は、そちらから単著を読んでみてもいいかもしれません。
ご当地小説が好きな方、ほっこりしたお話が好きな方、神戸の話が読みたい方におすすめです。
著者:鳩見 すた, 溝口 智子, 栗栖 ひよ子, 浜野 稚子ほか
出版社:マイナビ出版