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物語のなかとそと

 わたしたち「読者」は、本を読むことでしか、物語の 〈なか〉には入れません。

 本をひらいて、出かけて、かえってくる。その繰り返し。

 現実から出ていけるのは、その、ほんのすこしの間だけ。

        

 でも、うみだす側の「作者」は、そのかぎりではありません。

          

 「現実を生きている時間より、物語のなかにいる時間の方がはるかにながい。

 もう、ずっとそうです」

            

 と、江國さんは言います。

            

 そんな作者の日常は、物語の〈なか〉のふしぎと、〈そと〉の現実との境界

 が、ややあいまいです。

       

 編集者にすすめられて受けた検査で見つかった、胃の中の「恋人」。

 散歩の途中、手首でなめくじを吸収してしまったこと。

 玄関から、ちびた消しゴムたちが出ていったこと。

        

 これは現実? これは物語?

        

 どちらがどう、なんて考えるひつようはありません。

 〈なか〉と〈そと〉を、かろやかに行き来する作者に連れられて、

 ただ、自由に、そして、すこしあやうくとけていく感覚をお愉しみください。

          

          

 著 者:江國香織

 出版社:朝日新聞出版

        

          

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 2021年7月の新着図書です。

              

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