本屋大賞受賞の「羊と鋼の森」を読んだ時、冬の朝を思わせるキーンと
澄みきった空気が全編に漂っている、と感じました。
宮下奈津氏を形成するものを集めたような本書を読むと、その空気感が
どこから来たのかわかる気がします。
作中で著者も書いていますが、一冊の本は読者をあらゆる時代の様々な
世界へと連れていってくれます。
思いがけず、自身と同じものに作者は心震わせ、同じ想像力の世界に
居住しているということを知り、その喜びも味わえる…そんな1冊でした。
著 者: 宮下 奈都
出版社: 実業之日本社