シリーズ2の今回は奈良、三重、和歌山です。
目が覚めるような絶景が掲載されたガイドブックを見慣れた目には、本書の
中の景色は、少しくすんで見えるかもしれません。
しかし、何百年も人々の往来を見つめてきた街道や、手仕事を生業とした集落、
あちこちに伝わる伝説などを見るうちに、その季節特有の陽射しや、
そこに生活する人々の息吹までが感じられるような気がします。
各地で祭りが中止となり、人々のつながりさえも奪おうする新型コロナですが、
だからこそ失ってはならないふるさとの姿に、心打たれる一冊です。
撮 影:清水 安雄
出版社:産業編集センター