京阪神に現存する、明治、大正、昭和の戦前の名建築が登場します。
読み進むうちに、海とは切り離せない神戸、商業の町らしい大阪、
伝統と自由が共存しながらも優雅な京都… と、3都市の違いが見えてきます。
中には、海外から招かれた建築家や彼らに学んだ日本人が設計し、洋館を手掛けた
こともない職人が日本の技術を駆使して作ったものもあります。
レトロ建築に足を踏み入れた時、磨きこまれた階段の手摺や、窓越しに差し込む
柔らかな光が心地よいのは、ノスタルジーだけではなく、建物に関わった多くの
人々の歴史が感じられるからかもしれません。
出版社:エクスナレッジ
著 者: 倉方 俊輔
写 真:下村 しのぶ