陽気なギャングシリーズ、三作目です。
いくつかのエピソードが読み進むにつれて一つになり、綿密に張り巡らされた伏線が最後にはきっちりと回収される、まさしく伊坂幸太郎の独壇場ともいえる物語です。
今回はギャングたちと、ハイエナのような週刊誌記者との対決ですが、最後まで一気読みは間違いありません。
犯罪者であるギャングと、平気で人を傷つけているが法律的には犯罪者でない記者。
何が悪で何が善か、何が真実で何が嘘か、自分が思う常識は本当にそうなのか。
そんな疑問を提示されているような気分になります。
いずれにしても強盗は犯罪です。
これは、どこか時空の異なる日本で起きたお伽話と思うことにしましょう。
著 者:伊坂幸太郎
出版社:祥伝社