高齢化や過疎化により、共同生活の維持が困難な集落が増えています。
京都府綾部市は、そんな場所を「限界集落」と呼ばず、「水源の里」と位置付け、活性化を図りました。
「水源の里条例」施行10年を経て、水源の里に指定された13の集落はどう変わったのでしょうか。
ある集落は、90歳を超える数人で栃の実を生かした名産品を作り、ある集落はシャガやミツマタの群生で訪問者を増やしました。
各集落の推移を見ると、若い世代の移住があるとは言え、世帯数や人口は必ずしも増えていません。
それでも集落は残り、なによりも高齢者に笑顔が戻ったのです。
現在、水源の里は日本全国に広がり、それぞれが地域の特色を生かした取り組みを行っています。
日本の原風景を守る「水源の里」という考え方を、ひとりでも多くの方に知っていただけたらと思います。
著 者:蒲田 正樹
出版社:扶桑社