福岡ハカセは2013年から2015年にかけて、かつて研究修行したロックフェラー大学の客員教授としてニューヨークに滞在しました。
時間的にも経済的にも、そして精神的にも余裕がなかった前回とは異なり、ニューヨークを楽しむハカセ。
氏の好奇心は、文学、美術、音楽など、どこまでも広がっていきます。
もちろん分子生物学者として、大学で最先端の生命科学に触れる喜びも綴られています。
25年の時を経た街には、かつてのワールドトレードセンターはありません。
また、本書が文庫化されるまでさらに3年の月日が過ぎると、初の女性大統領ではなくトランプ大統領が誕生していました。
それほど変わり続けていても、ニューヨークが人々を惹きつけていくのは変わりません。
これこそが、まさしく氏の著書でおなじみの「動的平衡」と言えそうです。
著者:福岡 伸一
出版社:文藝春秋