ここ数年、書名が「フランス人」で始まる本が次々と出版されています。
フランス人パートナーとの日々の食事を紹介する本書を読むと、私たちが思い浮かべるフランス料理は宮廷料理をベースにしたもので、前作の「フランス人とパンと朝ごはん」と同様、普段の食事はきわめてシンプルだとわかります。
ふと、レストランのみならず、家庭でも世界中の料理を取り入れる日本の食事情と比べてしまいました。
プロ顔負けの料理を載せたブログが溢れ、インスタ映えやキャラ弁といった言葉が一般的になるのは日本ゆえかもしれません。
それはそれで楽しいのですが、一方で「一汁一菜でよいという提案」(土井善晴)という本も登場し、話題を呼んでいます。
昔ながらのメイン料理とフロマージュ、デザートなどのコース料理を守るフランス人の食卓を見ると、常に新しい料理を品数多く作らなくてもいいんだよ、と言われているような気がするのです。
著者:酒巻洋子
出版社:産業編集センター