空港から遠く、従来の典型的なイメージとは異なるにも関わらず、外国人旅行者が押し寄せる観光地があります。
そのひとつである飛騨地方のインバウンド・ツーリズムを成功させた著者、その軌跡を記したのが本書です。
著者はグローバルカンパニーを辞めて世界放浪の旅を終えた後、飛騨古川に移住しました。順風満帆とは言えない10年間に、田舎に住んで新しいことを始める難しさを身を持って体験します。
それでもあきらめなかったのは、日本人には当たり前に見える里山と古民家の美しさを知り、それは努力しなければ消えてしまうことを誰よりも知っていたからでしょうか。
色とりどりの鯉が泳ぐ瀬戸川が流れる、静かな飛騨古川の街並みは、映画「君の名は」の聖地としても人気です。
世界各国の人にその魅力に気づかせたのは、著者だったかもしれません。
著者:山田拓
出版社:新潮社