著者は、オーストラリア出身の漫才師です。
ホームステイ先で日本のお笑いにはまり、芸人になるという夢を持って再度来日します。
極貧時代を経て、現在は漫才コンビとしての活動だけでなく、翻訳や通訳として世界に日本のお笑いを広げています。
こんな風に紹介すると、夢を叶えた一青年の伝記です。
出来杉くんだった子ども時代から、ホームステイ先のエピソード、弟子としての生活、貧乏話、先輩芸人との交流など、伝記としても読み応えたっぷりです。
しかし本書の魅力はそれだけではありません。
世界各国のお笑いの歴史や比較を読むと、お笑いという側面から日本という国が見えてきます。
お笑いについて、実際にお笑いの世界の人がいつか書かなければならなかったとしたら、著者が外国人だったのは少し悔しくもありますが、当然でもあると感じました。
著者:チャド・マレーン
出版社:NHK出版