兵庫県を中心に存在する産業遺産を紹介しています。
時代は明治から昭和。
当時の西洋建築技術を駆使した神戸駅や神戸税関本関、たった8年間の営業だった旧市営姫路モノレール跡、各所で崩れ落ちた建物の中に、かつての優雅なたたずまいの片鱗が見える摩耶観光ホテル、日本の近代化を支えてきた鉱山など、魅力ある建造物が並びます。
現役で活躍している場所がある一方で、本来とは異なる使用で生まれ変わった所や、歴史的価値が認められて保存された所、摩耶観光ホテルのように数奇な運命をたどった末に、ほとんど廃墟となったところもあります。
これらの産業遺産は未来を見据えて造られました。
そこに身を置き、しばらくの間目を閉じると、瞬時にタイムトリップし、昔の人が見た輝かしい未来を共有できるような気がしてなりません。
著者:前畑温子
出版社:神戸新聞総合出版センター