博多で暮らし92歳になるタミ先生は、料理を教えて60年になる料理家です。
料理研究家の草分けの一人である江上トミ氏に師事し、和洋中の料理を学ぶ。
38歳で江上氏について半年間食の視察旅行に行き、39歳で料理教室を始める。
料理家として輝かしい経歴を持つタミ先生ですが、彼女の料理教室を「人生塾」と言わしめたのは46歳の方向転換でした。
命を支えるための食は、生きる土地に合った体にいいものでなければならない、と高級西洋料理から伝統的な日本の家庭料理に変えたのです。
重そうな銅鍋を持ち微笑む表紙からは想像できませんが、子ども時代は病弱だったというタミ先生。
身体の声をちゃんと聞いて一日一日の滋養を大切にしてきたそうです。
90歳を過ぎても健やかに過ごし、現役でいられる秘訣が、ハッとするような言葉でつづられた一冊です。
著者:桧山 タミ
出版社:文藝春秋