神戸開港150年を迎え、さまざまな記念事業が実施され、神戸関連の図書も相次いで出版されています。
その一冊である本書は、明治15(1882)年刊行の「豪商神兵 湊の魁」を復刻したものです。
明治の商店を描いた緻密な銅版画からは、当時の建物や商品だけでなく、通りのにぎわいや人々の暮らしまでもが伝わってきます。
ページ毎に編者による詳しい解説もあり、商店の変遷や神戸の歴史もわかります。
映画、近代洋服、洋家具、ゴルフ場からコーヒー、ラムネや豚まん、JAZZなど、日本で神戸発祥と言われるものが数多くあります。
本書の「芳香堂」のページには印度産珈琲の文字…
開港によりもたらされた物や文化が神戸を作っていったのだと、改めて実感します。
ここに描かれた場所に立つと当時の様子が見える、そんなVR眼鏡があれば…と本書を読んで思いました。
著者:大国正美 楠本利夫(編)/神戸史談会(企画)
出版社:神戸新聞総合出版センター