著者は夫と3人の息子たちとの5人家族で、本書には一家の持ち物すべて(子どもの持ち物を除く)が載っています。
その総数は1649点。
家具、電化製品から衣類や食器、文房具まで、文字通りすべてだと考えると、この数が極めて少ないことがわかります。
モノを買わない、必要最小限の生活用品で暮らす、より小さい住まいへと変更する・・誰にでもできることではありません。
みんなが物を買わなければ経済はどうなるのか、という意見も聞かれます。
はたしてそうでしょうか。
安価ですぐに捨ててしまう商品が氾濫することで、伝統を守り手のかかった工芸品や、優れた技術品が生き残れない恐れもあります。
厳選した品を、愛情を持って使っている著者の家族を見ると、ミニマリズムは一過性の流行ではなく、日々の生活を大切にする生き方のひとつだと感じました。
著者:尾崎友吏子
出版社:NHK出版