ここ近年、船旅が密かなブームになっているそうです。
昨年からのコロナの影響により、旅の最大ツールである航空と鉄道の二本柱が
ほぼその機能を失い、それにより私達の中で「旅」という意識や計画も失う事
になり、旅行業界が前代未聞の大打撃を受ける事になってしまいました。
「そんな今、何故、船旅なのか?」と思いながら、この本を読んでみました。
「海に浮く動くホテル」と評されているように、長距離フェリーの設備や内容
の豪華さは言うまでもなく、この本はその船舶の説明だけに止まらず、着港先
の名所や名物グルメといった抑え所を紹介しており、観光ガイドとしても充分
に役に立つ一冊になっています。
京阪神の港から九州・四国へ向かう長距離フェリーの紹介が主になっています
が、小型フェリーで島々を巡る島遊びのススメや、近場で気軽に楽しめる遊覧
船・屋形船・手漕ぎ船、水陸両用で楽しめるエンタメクルーズの騎手、スカイ
ダックまでが網羅されていて、見ているだけで色んなところを船で巡っている
ような気持ちになり、とてもワクワクしました。
「何故、船旅なのか?」
それはやはり、私達日本人が島国で育ち、身近な所に海があり、そこに旅情を
伴う五感が刺激されるからではないでしょうか。
コロナ禍であっても、いや、色んな事が規制されているコロナ禍だからこそ、
私達はそんな日常の逃避場所である旅に出たいという気持ちになるのかもしれ
ません。
特に心を惹きつけられた船遊びは、姫路城の内堀を船頭さんが手漕ぎの和船で
案内してくれる観光学習船でした。
水上から眺める姫路城。桜の季節に是非乗ってみたいと思いました。
出版社:京阪神エルマガジン社