登場するのは、後に「大泉サロン」と呼ばれたアパートで共に暮らした
萩尾望都やプロデューサー的な役割をした増山さん、
サロンに集うまんが家たち。
もはや伝説となった「トキワ荘」は知っていても、
「まんがで革命を起こす!」と、今や名だたる少女まんが家たちが
集う場所があったことは知りませんでした。
絵柄や内容に制約が多く、原稿料も男性マンガ家より安かった時代から、
ついに名作「風と樹の詩」を世に出すまでの葛藤や努力には胸が詰まります。
スランプを打破すべく出かけた45日間のヨーロッパ旅行のメンバーは、
前出の増山さんと萩尾望都、山岸涼子だったという豪華さ。
少女まんがの礎を築いた天才たちの道程を描いた、
奇跡のような一冊です。
著 者:竹宮 惠子
出版社: 小学館