著者は写真家、34歳で難治性癌の告知を受けます。
息子はまだ1歳の彼にとって、あまりにもむごい現実です。
本書は、限られた日々で叶えられなかった夢を実現する物語や、
終始愛に満ちた物語とは違います。
宣告の後に取材した3人と著者の苦しみには、親子関係が深く関わっています。
そんな本書のテーマは「家族」かもしれません。
事実上の余命宣告という極限の状態の中で問いかける、死とは何か、病とは、
そして生きることとは…
読んでいて辛くなることもあります。
けれども、生きづらさを抱えた人が、自分の人生を生きるきっかけになる
一冊かもしれないと感じました。
著 者:幡野 広志
出版社:ポプラ社