絵画や造形物を通して心のケアを行うアートセラピー。
「熊沢アート心療所」のインターンとなった主人公は、アートセラピーの現場を見つめながら、自らの過去にも向き合っていきます。
登場人物のさまざまな問題と、彼らの創作物から内面を読み解く過程を読むと、多くの人が苦しみを抱える一方で、人を救う手段も進化していると実感します。
作者は東京藝大卒でキュレーターでもあるそうです。
専門的な知識を土台にしているからこその説得力があり、できればシリーズ化してほしい作品です。
著 者:一色さゆり
出版社:宝島社