「家族という病」がベストセラーとなった元NHKのアナウンサー。
多くの人が思い浮かべる著者のイメージです。
本書は、彼女が最初の目標であった物書きになるまでの道のりを語った、自伝とも言える一冊です。
職業軍人を父として生まれた著者の家族の絆は、戦争によって破壊されます。
そんな経験から生まれた「家族という病」、その衝撃的な書名から冷たい人ではと想像しがちですが、人間すべてを否定しているわけではありません。
折々に影響を受ける女性に出会い、大きなチャンスにも恵まれたのには理由があるからです。
紆余曲折を経て今の彼女があるのは、天邪鬼というより正直だったから。
本書を読み、そんな風に感じました。
著 者:下重暁子
出版社:文芸春秋