「まるで『朝ドラ』のような人生!」
ヤマザキマリの母、リョウコさんの生き方を記した本書の帯に書かれた言葉ですが、むしろヨーロッパ映画のような人生です。
それは多分、母の運転する車の助手席で曇りがちの景色を眺める著者の独白から始まり、破天荒な母に翻弄されながらも深く結び付く家族を描く映画…。
深窓のお嬢様だったリョウコさんですが、朝ドラでは描ききれないような広い世界に生きてきました。
この母だからこそ今のヤマザキマリが誕生したのです。
自由を手にしたかのように見えて、現代の女性たちは、仕事、家事、子どものしつけや教育など、様々な「こうあるべき」に縛られているように思えます。
彼女たちにこそ、半世紀前にこんな生き方をした女性がいることを知ってほしいと思いました。
著 者:ヤマザキマリ
出版社:文藝春秋