主人公はアーティストの卵。
留学したパリで人生が大きく変わっていきます。
こんなふうに書くと、よくある物語に思えますよね。
けれども、作家という仕事や、アート、ジェンダーを描き、ミステリーの要素もあり、しかも読後すがすがしい気分になれるコメディを創れるのは原田マハしかいないのではないでしょうか。
彼女の作品には、運命としかいいようのない出会いによって誕生したものが少なくありません。
本書もフィクションの中に、実際に起きた奇跡のような出来事が描かれているのですが、それは読んでからのお楽しみです。
昨年県立美術館にお目見えしたサヴィニャックのポスターで彩られた表紙も含め、すべてが「原田マハ」の一冊でした。
著 者:原田マハ
出版社:小学館